どんな料理か
夜市ステーキ(夜市牛排)は台式牛排(台湾式ステーキ)とも呼ばれる、安価なステーキ定食です。鋳鉄の皿はテーブルに届いてもまだ油がはねています。皿には牛肉と一緒に麺、卵、ミックスベジタブルがのり、全体にとろりとした茶色のソースがかかります。夜市の屋台でも、手ごろなステーキハウスでも食べられます。
生い立ち
1970年代の台湾では、洋食はぜいたく品でした。安いステーキ定食を始めたのは、洋食の料理長だった孫東寶氏とされるのが一般的です。1976年、氏は台北の八德路から入った路地で鉄板ステーキを売り始めました。売りにしたのは格式ではなく値段で、今では氏の名を冠したステーキチェーンもあります。
鉄板の由来には二つの説があります。一つは日本の鉄板焼き。もう一つは香港で、洋食レストランの美心(Maxim's)が1956年から鉄板の定食を出していました。食文化ライターの范僑芯氏は、香港とのつながりのほうが直接的だと考えています。いずれにせよ鉄板なら料理が冷めにくく、冷めた食事を嫌う客に向いていました。
それ以外は台湾の事情が形を決めました。乳製品は高く、ワインも手に入りにくかったので、ソースは醤油、トマト、でんぷんが頼りでした。じゃがいもはなじみが薄く、ぱらぱらのご飯はナイフとフォークで食べる皿には扱いにくいため、付け合わせは麺になりました。2006年の時点で、台北の師大夜市にある屋台、牛魔王は20年以上営業を続けていました。
作り方
牛肉は筋や脂を整え、先に下味に漬けることが多いです。師大夜市のある屋台は6時間漬け込み、ほぼウェルダンまで焼きます。肉はよく熱した鉄板にのせ、麺、鉄板の熱で固まる生卵、冷凍のミックスベジタブル(グリーンピース、コーン、にんじんの三色豆)を添えます。ソースは最後にかけます。黒胡椒ソースもマッシュルームソースも、玉ねぎ、にんにく、マッシュルームに醤油、トマトソース、でんぷんを合わせて作ります。2009年にサルモネラ菌の集団感染が起きてから、生卵をやめたチェーンもあります。
食べ方
料理には大きな紙ナプキンがついてきます。皿の前に掲げて、はねる油をよけましょう。メニューには部位がいくつか並び、チキンカツを置く店も多く、ソースは黒胡椒かマッシュルームから選びます。手ごろなステーキハウスでは、コーンスープと紅茶が飲み放題で、ガーリックトーストもつくことがよくあります。鉄板が熱いうちにスープを料理にかける人もいます。

