どんな料理か
鹽水鴨(鹹水鴨とも書きます)は、丸ごとのアヒルを塩と胡椒で漬け、穏やかに火を通したものです。白い身はやわらかく、ほどよく脂がのっていても脂っこくありません。ぶつ切りにし、冷たい前菜として冷ましたまま食べます。
生い立ち
塩漬けアヒルの故郷は南京で、この町では2,000年以上もアヒルが飼われてきました。地元の伝説では、南京の人々のアヒル好きを明の初代皇帝、朱元璋に結びつけています。彼は南京じゅうの雄鶏を殺すよう命じたといわれます。明代には、塩漬けアヒルは庶民にも宮廷にも食べられていました。清代になると、科挙が行われた夫子廟のまわりの料理店や茶館が、受験生のためにこれを作りました。キンモクセイが咲く旧暦8月に作ったアヒルは花の香りがするとされ、そこから桂花鴨という別名が生まれました。2012年には、中国の地理的表示農産物に登録されています。
国民党軍とともに台湾に渡った南京出身者が、そのレシピを眷村(軍人とその家族が暮らした村)に持ち込みました。高雄の左營には、かつて全国最大の海軍の眷村がありました。上陸休暇の水兵たちはここでアヒルを買い、海軍の部隊は祝日の食事のために注文しました。
作り方
南京では、手羽先と足を切り落とし、アヒルに胡椒をすり込み、腹の中にも入れます。夏は1〜2時間、冬は約4時間漬けたあと、風通しのよい場所に吊るして乾かし、生姜、タマネギ、八角と一緒に煮ます。左營の蘇家はメスのバリケンを使います。粗塩をすり込みながら骨を砕いて塩をしみ込ませ、一晩おきます。翌朝、家伝の古い塩水に1時間ほど浸し、腹に八角とひね生姜を詰めて蒸します。
食べ方
塩漬けアヒルは冷菜で、ぶつ切りにして冷ましたまま、ふつうは前菜として出します。台湾では持ち帰りで買うことがほとんどです。蘇家の店では半羽ずつ箱入りで売り、アヒル麺やアヒルご飯用のスープを1袋つけています。アヒルの舌はビールのつまみになります。
台湾各地では
- 高雄
- 左營では、軍の施設で電話交換手をしていた蘇家の祖母が、同じ南京出身の人からこの料理を教わり、50年以上前に売りはじめました。今は孫娘たちが店を切り盛りしています。蒸したときに出るスープは、手羽先、足、舌、砂肝の煮込みに使います。




