どんな料理か
杭州の料理で、皮をつけたままの豚バラ肉を、脂身と赤身がほぼ半々になるよう厚い角切りにしたものです。弱火で長く煮込むので脂はやわらかく、赤身はしっとりとし、たれは黒くとろりとなります。台湾では江蘇・浙江料理(江浙)の店のメニューにあるほか、ふつうの食堂でもよく見かけます。
生い立ち
料理名は、宋代の詩人、蘇軾にちなみます。号をとった蘇東坡の名のほうがよく知られています。由来には二つの伝説があります。一つは、1080年に黄州へ流されたあと、お金に困るなか、そこで安かった豚肉の調理法を考え出したというもの。もう一つは1090年ごろの話で、杭州の長官だった彼が西湖をさらわせたところ、住民がお礼に豚肉を届け、家の者が手違いで酒と一緒に煮てしまい、それが見事な味になったというものです。蘇軾の作とされる豚肉をたたえる詩には、弱火で水を少なくして煮るようにとありますが、中国語版ウィキペディアは本人の作かどうかを疑問視しています。東坡肉という名前そのものが初めて文献に現れるのは、明代の馮夢龍と沈徳符の著作です。九州の角煮は、明代の海上交易によって琉球と日本に伝わったこの料理の子孫と考えられています。
台湾では、この料理は江浙料理に属します。1949年に国民政府とともに渡ってきた人々の中で最も多かったのがこの地方の出身者で、何十年ものあいだ、台北の有名レストランの多くは江浙料理を出していました。今ではすっかり広まり、町の熱炒店(大衆的な炒め物の店)でも独自のトンポーローを作っています。
作り方
豚バラ肉は皮つきのまま、5〜7センチほどの角に切ります。先に表面を焼きつけることが多く、そのあと紹興酒のような黄酒、醤油、氷砂糖とともに、弱火で数時間煮込みます。水はごく少なくするので、たれは煮詰まって、とろりとつややかに肉を包みます。
食べ方
みんなで分ける料理の一品として頼み、白いご飯と一緒に食べましょう。ご飯がたれをよく吸います。
台湾各地では
- 台南
- 清代の家屋を使った、コース仕立ての宴席料理店、筑馨居では、これを看板料理の一つにしています。オーナーシェフの周榮棠氏によると、客は口の中でとろけると言い、「豚肉のアイスクリーム」と呼ぶそうです。





