どんな料理か
麺線(麵線、台湾語でmī-sòaⁿ)は、小麦粉と水に塩をたっぷり加えて作る、糸のように細い小麦麺です。この料理では白い麺線をゆで、黒ごまを搾った黒ごま油(黑麻油)であえます。たいてい生姜の薄切りも一緒です。単品で食べるほか、薬膳スープに添えることもあります。
生い立ち
麺線は17世紀、福建からの移民とともに台湾へ渡ってきました。長い麺は長寿の象徴なので、誕生日や節句に登場し、麺を切ったり噛み切ったりしないようにする家庭も多くあります。
ごま油のほうは、別の習慣から来ています。坐月子、出産後のひと月を休んで特別な食事をとる産後養生です。台湾の産後の献立は、黒ごま油とひね生姜が頼りで、どちらも漢方では体を温めるものとされています。産後料理でいちばん知られているのはごま油の鶏スープ(麻油雞)で、ごま油の麺線は同じ油と生姜を使い、鶏の代わりに麺を合わせたものです。ごま油は出産後の子宮の収縮を助けると昔から信じられています。産後の時期以外では、ごま油の料理は寒い季節の食べ物で、秋から冬にかけて多くの家庭で作られます。
作り方
麺線の生地は普通の麺より塩が多く、3%ほど入ります。そのおかげでよく伸び、ごく細く引きのばせます。昔ながらの作り手は生地を棒に掛けて手で引きのばし、天日で干しますが、今はほとんどが機械製です。表面の塩を洗い流すために麺をすすいでから、ごく短時間ゆでるのが一般的です。ゆですぎるとぼろぼろになるからです。黒ごま油で生姜の薄切りをじっくり炒め、湯を切った麺をからめます。
食べ方
産後の献立にほかのごま油料理と並んで出てくるほか、寒い季節に体を温める食事にもなります。ごま油と生姜は体に熱をこもらせると考えられているので、風邪や熱、のどの痛みがある人は控えるよう言われるのが普通です。薬膳スープの店では、セットの麺ものとして出しています。
台湾各地では
- 台南
- 台南で百年続く漢方薬局から今は薬膳スープの店になった博仁堂は、安定区産のごま油を使ったごま油の麺線をセットに入れています。嘉義と台南の平野で育つごまは、油を搾るのに向いていると評価が高いです。
- 中部
- 彰化の福興では、林さん一家が今もほぼ手作業で麺線を作っていて、長いすだれのような麺を中庭に掛けて干しています。The Christian Science Monitorは、台湾でこのやり方を続ける最後の家族の一つだと伝えています。






